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吉岡徹 「基礎デザイン」

執筆者の写真: 吉岡徹吉岡徹

更新日:2018年6月24日

「基礎デザイン」

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かつて芸術は、特権階級に独占されたものであったが、今日ではマスメディアの発達により、早く正確に情報が得られ、しかも鑑賞も容易で大衆に身近なものとなった。芸術はもともと生活の中にひそむ真理の追究に意義を求め、そのための技術と解釈され、その下絵や見取り図をデザインと称した。

1919年にグロピウス(W・Gropius 883-1969)が機能主義を旗印に創設したバウハウスは現代芸術に大きな影響を与え、デザインに対する認識を強めたが、学術的意味合いにおいては、他の領域との係わりは弱く、その評価は十分とはいえなかった。しかし、今日の工業化社会において、デザインの重要性は年々深まり、各方面での理論的、技術的考察、研究が盛んに行われるようになり、関連領域も政治や都市計画、医学等との幅広い交流が見られるようになった。

 「用」と「美」とを追求することを本義とするデザインは絵画、彫刻といった純芸術とは当然目的が異なり、合目的適性、技術性、経済性、社会性を考慮した人類社会発展に寄与するものでなければならない。そこには、理論を技術との総合された領域として、社会に適用することが要求される。そのためには美学、心理学、生理学、人間工学、民俗学などの幅広い学習をせねばならない。

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