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執筆者の写真吉岡徹

造形について

更新日:2018年12月16日

造形について

 

 人間も動物のように自然の中で生活する事が不可能ではないが、より人間的な生き方というと、意味合いは弱くなる、本来、人間は自然や社会とのかかわりのなかで生きている。

そこには生活の手段としての創意工夫が必要になる。この人間活動において、美的要素の有無にかかわりなく、具体的な形式の過程、あるいは形象一般において、意思を持って形造ることを造形(plastic)と呼ぶ。それは足跡、指紋、落書き、木を削るなどの単純な行為も、マチスやピカソ、ムーアの芸術作品も同じ解釈となる。しかし、動物が穴を掘る、巣を作るなどの本能的な行為は造形とはいわない。

 造形活動は、作業機、光学機などの実用性を第一義とした工学的な領域と、絵画・彫刻のような審美性を要求する領域と、この2つの領域に交錯している建築・ポスター・被服のどの3つの領域に大別される。

デザインは、広義にはあらゆる造形活動に関する計画のことと解釈されるが、一般的には、ある一定の用途をもつものを制作するとき、その目的・内容を的確に美的形態として、表現できるように計画・設計することをいう、いいかえれば、ある目的をもって思考し、それにかかわる諸問題を解決し、可視的・触覚的媒体によって表現・表示することである。その際「用」(実用性)と「美」(審美性)とのバランスが大切となる。なお狭義には、造形とは美的要素を含む三次元的空間を場とする造形美術と解釈される。

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