形態
形式原理
対象の美的基準について、内容、目的は除外した。美についてのみの形式的条件のことを、形式原理(prineiples)という。この形式原理の終局的基本原理とされているものは、多様の統一(unity of multiplicity)と呼ばれ,アリストテレス以来、バウムガルテンやカント、ヘーゲル等の研究が著名である。カントは「我々が外界から知覚する複雑で不統一な内容を直感的に統一することにより知識が成立し、それが一般共通の形式となる」と述べているが、実は統一と変化の適度なバランスを条件とする。統一の中に変化を、変化の中に統一を求め、そこに有機的統一が基本原理として存在する。統一が強すぎる場合は単調となり、変化が過剰すぎる場合は混乱する。つまり多様に示される要素において、異質性が多いと混乱し、等質性が強いと単調になり、この両者の多様性と秩序性が美的基準となる。そこに、統一は美に、不統一は醜となる結論を得る。以上は次のようにまとめられる。
(1)多用は対象が統一され、統一は多様を含む必要がある。
(2)対象は矛盾があってはならない。矛盾があると快適に結びつかない。
(3)対象は明確でなければならない。
形式原理についての研究は古代エジプト、ギリシア以来、多くの提示がされたが、近代になり心理的美学者達によって11項目に整理された。
(1) 反復 (2)交替 (3)律動 (4)漸移 (5)対称・均斉
(6)均衡 (7)対比 (8)調和 (9)支配と従属
(10)統一(11)比例・比率
Comments