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  • 執筆者の写真吉岡徹

形態の基礎理論・・対立(contrast)


対立(contrast) 色彩・明暗・形態・材料等が互いに質的に量的に相反する。または非常に異なる要素で構成されたとき、それらの相違は強調される。例えば、大と小とか構成されたとき大はより大に、小はより小に感じる。同様に直線と曲線、長短、高低、粗密、鋭鈍などの相反する組み合わせは、それらの単独で使用される場合よりも、その要素が強調される。これらの現象をコントラスト(contrast、対立、対比、対照)という。  コントラストは一方が他方より優位で支配的な役割を持つと、他方は従属的立場となり、最大、最強、最重要となるものは支配的な立場をとると言う性質がある。


平行に配置された2本の直線(図2.64a)は、直角に配置された図bに比べて対立の性格は弱くなる。なぜなら、平行に配置された場合よりも直角に構成された線は対立の表現となっているから、cの場合は直線と曲線との位置の構成が似ているため対立は弱いが、直線と曲線とが持つ線の表現上の性格には対立が見られる。dの場合には線の形は、やや似て対立が弱められているが、線の角度が複雑となり、それが対立した表現となっている。図2.65aの場合は黒の面積と白の面積との大きさと明暗が対立している。bは、白い面積が外形となっていて、黒い面積の水平・垂直の線の構成と対立する斜方向線による構成になっていて、aよりも対立の要素が強まっている。cの場合は外形の直線と内形の円(曲線)とによる線の持つ性格の差と、明暗が対立している。これら図a.b.cは対立的構成が見られるが構成的には上下、左右対象となり、その意味ではバランスが取れれていると言えるが、dの場合は、白と黒の部分の位置、大きさの構成が不安定であり、複雑で対立的要素が強く、統一感に欠けている。

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