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吉岡 徹 「基礎デザイン」作品に見る色彩とデザイン
東京芸術大学デザイン科を卒業後渡米、帰国後デザイン事務所開設、
週刊読売表紙デザイン、カネボウ、日航、三井銀行、読売新聞の広告担当をする。
毎日広告賞、中日広告賞、準雑誌広告賞受賞。
その後、長年にわたり大学、大学院でデザイン(意匠学・色彩学)の教授として指導。
現在は色彩とデザインを最大限に表現できる抽象画をアクリル画で制作している。
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吉岡徹
各種の表現方法(コラージュ、オブジェ、コンピューター・アート、ペンジュラム、テクスチュア、魔法陣)
コラージュ コラージュ(collage=仏)とは貼付の意味。20世紀初頭、立体派のピカソ、ブラックらが、キャンバスに油絵の具のほかに新聞紙や壁紙、切符を貼り付けた作品を作り、これをパピエ・コレ(貼紙:papier collee)と呼んだのが起源とされ、その後各種素材を用いる...
吉岡徹
各種表現方法(ローラー、スタンピング、フロッタージュ、スクラッチ、スパッタリング、モンタージュ)
ローラー ローラを用いると、漸移や表現が生じ、重ねによる効果や薄れていく様子が、筆とは別な変化ある効果が得られる。ローラーの部分に絵の具をつけたり、曲線を描いたり、型紙などを用いると、さらに複雑な様相が示される。型紙(stencil)を用いた方法は染色、版画など造形の世界に...
吉岡徹
各種の表現法・・オートマティズム・・デカルコマニー・・マーブリング
オートマティズム 対象をイメージに近いものに具現化するために、材料や道具を理解して、色彩や形態を表現する必要がある。それは固定観念や先入観を取り除くことにもなり、表現の幅も広がる。 筆や紙、キャンバスを用いなくても、絵具を撒いたり、滴らしたり(図4.1a)。それを息で吹いた...
吉岡徹
色知覚・・順応・・主観色
順応 感覚器官に与えられた刺激に応じて、感受性が次第に変化する過程や変化した状態を順応(adaptation)という。昼間の明るい街中から暗い映画館の中に入った時や、ドライバーが暗いトンネルの中に入ったとき一時的に盲目状態になるが、この現象は時間とともに周囲の状況を確認でき...
吉岡徹
色知覚・・同化効果・・プルキ二エ現象
同化効果 周囲の色に影響されてその固有色が隣接する色と互いに反発する場合(同時対比)と、逆に周囲の色に近づいて見える現象(同化効果:assimilation effect)がある。同化効果は、囲まれた色の面積の小さい場合や囲まれた色が周囲の色と類似している場合に生じやすい。...
吉岡徹
色知覚・・・対比現象
対比現象 口絵2は、ヴェルトハイマー・べヌシ(M.Wertheimer an V.Benussi)の図形といわれるが、環形の部分が、配置された背景となる2色によって異なった色に見える。2色の境界線上に鉛筆を置くと、より対比が強調される。このように色刺激を呈示したときに、それ...
吉岡徹
色知覚・・残像現象
色知覚 残像現象 光の刺激が消滅した後も刺激の効果は残存するが、これを残像(after image)あるいは残効と言う。ストロボの光のような強い光刺激を受けた後に同形同大の刺激が眼の中に残る場合や、映画のように静止している1コマのフィルムが1秒間に24コマ以上の速さで次々と...
吉岡徹
形態の基礎理論・錯視(視覚間知覚・エイムズの歪んだ部屋・歪像画)
視空間知覚 三次元空間において空間的特性に関わるものを空間知覚といい、その中でも視覚に関するものは、特に視空間(visual space perception)と言う。視空間は必ずしも特定の感覚器官のみによって成立するとは限らず、いくつかの感覚器官の合成によって生じる。視野...
吉岡徹
形態の基礎理論・錯視(反転の錯視・運動の錯視)
反転の錯視 平面上の図形には平面的に見えるものと立体的に見えるものとがあり、後者の場合、凝視した時や瞬きしたときに、不意に反転して裏返しに見える図形がある。この立体感の成立の仕方において二様の可能性がある図形を反転性遠近錯視図形(reversible perspective...
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形態の基礎理論・・錯視(幾何学的錯視)
錯視 形態の弁別は過去の経験や暗示によって、主観的に判断される。この判断が客観的事実に相応しないで、知覚することを錯覚(illusion)と言う。錯覚は視、聴、臭、味、触の五感で感じるが、中でも視覚、聴覚についての場合が多い。錯覚現象の中で、視覚に関わる場合に特に錯視(op...
吉岡徹
形態の基礎理論・・群化の要因
群化の要因 視野内の2つ以上の図は、単独にそれぞれあるときに比べ、図同士がまとまって見えやすい。それは図が群化(perceptual grouping)し、体制下されるからである。視知覚の法則は、1890年にエーレンフェレス(C.V.Ehrenfels)によって喚起され、ケ...
吉岡徹
形態の基礎理論・・形態知覚
形態知覚 図形(figure=英、figur=独)と地(ground=英、Grund=独) 視野内に異質な領域が共存する場合、それらは1つのまとまったものとして知覚される。例えば平面上に描かれた図形を知覚する場合、一方が他方に際立った存在となる。ルビン(E,Rubin)は「...
吉岡徹
形態の基礎理論・・ルート短形・・黄金分割・・日本の造形に見る黄金比・・モデュロール
ルート短形(root rectangle) 短形は角がすべて直角の四角形で互いに対面する辺が平行で長さが同じとなる。代表的短形としては√短形と黄金短形があり、√短形は辺の比が1:√の関係に、黄金短形は1:φ(黄金比)になる。なお、黄金比の値は1に対して、(1+√5)/2にな...
吉岡徹
形態の基礎理論・調和・支配と従属・比例
調和(harmony) ハーモニーはギリシャ語のハルモニア(harmonia)から由来し、「適合」と言う意味を持つ。本来は音楽用語であるが、美術用語としても使用され、広義には2つ以上の要素間の相互関係が、質的にも量的にも「秩序」と「統一」が保たれ、静的で快い感情の得られる高...
吉岡徹
形態の基礎理論・・対立(contrast)
対立(contrast) 色彩・明暗・形態・材料等が互いに質的に量的に相反する。または非常に異なる要素で構成されたとき、それらの相違は強調される。例えば、大と小とか構成されたとき大はより大に、小はより小に感じる。同様に直線と曲線、長短、高低、粗密、鋭鈍などの相反する組み合わ...
吉岡徹
形態の基礎理論・・バランス
バランス(balance) 2つ以上の要素が互いに釣り合いが取れ、安定した状態をバランスと言う。バランスは力学的には重さの関係をいうが、造形においては色彩・明暗・大きさ・質感等の感覚的な釣り合いの状態をいい、均衡・平衡・釣り合いと解釈される。...
吉岡徹
形態の基礎理論・グラデーション・対称
グラデーション(gradation) グラデーションとは漸移、段階、階級などの意味を持ち、状態や性質が段階的に変化することで、漸次に変化していく累進的な過程に統一された秩序性が基本となる。色彩の配列、明暗が規則的、漸移的に移り変わる段階はその例となる(図2.57)...
吉岡徹
形態の基礎理論・・形態・・リズム
リズム(rhythm) リズムは,広義において反復、交替、漸移、均斉と訳され、本来は音楽、舞踊などの時間的現象についての言葉で、「相互に連続する音の変化の時間的規則性」と解釈される。文学においては「語句の流れ、音節の長短、強弱による韻律」のことである。リズムは同じ、あるいは...
吉岡徹
形式の基礎理論・・反復・交替
反復・交替(alternation) 昼と夜,潮の干満,季節の変化などは永久に繰り返される。映画、演劇は「音」や「間」の時間的繰り返しであり、彫刻や建築では平面と曲面が空間において構造的に繰り返される。対象の同一要素が2つ以上配列されることを反復という。反復は強調の手段とな...
吉岡徹
形態の基礎理論・・形態・・形式原理
形態 形式原理 対象の美的基準について、内容、目的は除外した。美についてのみの形式的条件のことを、形式原理(prineiples)という。この形式原理の終局的基本原理とされているものは、多様の統一(unity of multiplicity)と呼ばれ,アリストテレス以来、バ...
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